【目次】
1.「自動積立定期預金」や「貯蓄預金」を活用しよう
「なかなかお金が貯まらない」と悩んでいる方は、意外と多いのではないでしょうか。もしあなたが毎月の収入から残ったお金を貯蓄しているのであれば、貯まらないのも無理はありません。
確実にお金を貯めたいなら残ったお金を貯蓄するのではなく、給与天引きなどの方法で「先取り」貯金をするのが有効です。このようにすると知らず知らずのうちにお金が貯まっていくので、気付いたらまとまった金額になっていたということが起こります。
先取り貯金をする基本は、勤務先の社内預金や財形貯蓄制度を活用することです。これらを利用すれば、貯蓄したい金額があらかじめ給与天引きされます。手元にその分のお金が来なくなるので、しっかりと貯まる家計になるでしょう。
勤務先にこうした制度がない場合、銀行の自動積立定期預金を活用すれば同様の効果が期待できます。自動積立定期預金は毎月の指定日に、指定した口座から自動的に定期預金の口座へ振り替えてくれます。
また「自動入金サービス」を利用すれば、他行の口座からでも自動的に入金できます(原則手数料は無料で利用できます)。給与振込で利用している銀行とは別の銀行口座でお金を積み立てたいときに便利なサービスです。
なお、普通預金や定期預金のほかに、お金を貯めるための口座として活用できる「貯蓄預金」もあります。貯蓄預金は残高が増えると適用される金利が段階的にアップする預金で、「スイングサービス」を利用すれば自動的に普通預金から残高を移すことができます。
ただし、市場金利が低いときは残高が増えても金利が変わらない傾向がありますし、スイングサービスは手数料がかかることが多いので注意してください。
参考:
財形貯蓄制度について|独立行政法人 勤労者退職金共済機構
みずほ積立定期預金|みずほ銀行
2.NISAなら「つみたてNISA」がおすすめ
お金を貯めるときにある程度のリスクを許容できるなら、NISAを活用するのも1つの方法です。NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、株式の譲渡益や投資信託の分配金に課税される税金(20.315%)が非課税になるという有利な制度です。
NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、これらはいずれも積立投資によって利用することができます。積立投資なら自動的に一定のお金が投資にまわるので、社内預金や自動積立定期預金のようにお金が貯まっていきます。
一般NISAとつみたてNISAの大きな違いは、その非課税期間の長さです。一般NISAは5年(「ロールオーバー」を利用すれば10年)ですが、つみたてNISAは20年です。
金融庁が作成した「つみたてNISA早わかりガイドブック」によると、資産や地域を分散した積立投資を長期間続けることで、結果として元本割れする可能性が低くなる傾向があることが指摘されています。目先の価格変動にとらわれず、長期投資の効果を信じて積立を続けていれば、いつの間にかお金が「貯まる」だけでなく「増える」かもしれないということです。
つみたてNISAなら非課税期間が長くこの効果を得やすいので、コツコツと長期的にお金をためたい方は検討してみてください。
3.iDeCoなら老後資金をしっかり貯められる
貯蓄の目的が老後資金であれば、節税効果の大きいiDeCo(個人型確定拠出年金)がおすすめです。具体的には以下のようなメリットがあります。
・毎月の掛金が全額、所得控除になる
・運用益が非課税
・年金にかかる税金が優遇される(退職所得控除や公的年金等控除が適用される)
NISAはあくまでも運用益が非課税になるだけですが、iDeCoなら毎月の掛金が全額所得控除として扱われ、所得税や住民税の節税になります。
iDeCoを利用するかどうか決めるうえで忘れてはならないのが、原則として60歳まで引き出しができないことです。この点はデメリットではありますが、裏を返せばそれだけ強制力が働くので、しっかりとお金を貯められるというメリットにもなります。
また、iDeCoは株式や投資信託だけでなく、預貯金や保険でも利用することができます。そのため、元本割れに不安を感じる方でも利用しやすいです。
4.貯蓄方法の種類についてのまとめ
確実に貯蓄をするために大事なのは「先取り」です。そして、先取りする手段として以下の方法が活用できます。
・社内預金、財形貯蓄制度
・自動積立定期預金、自動入金サービス、貯蓄預金
・NISA(一般NISA、つみたてNISA)
・iDeCo
自動積立定期預金や自動入金サービスなら取り扱っている銀行が多いので、勤務先で社内預金や財形貯蓄制度が利用できない場合は検討してみましょう。また、NISAやiDeCoは税制面のメリットがとても大きいので、積極的に活用を検討する価値があります。
老後資金に限らず、まとまった貯蓄を作るためには計画をしっかり立てることも大事です。何となく貯蓄するのではなく、いつまでにいくら、どんな方法で貯めるのかという計画をまず立ててみましょう。