様々なメディアでいろんな貯蓄方法について情報があります。しかし、年代に着目した貯蓄方法についてはあまり聞く機会がないように思います。そこで、今回は30代の方向けの貯蓄方法について記載します。
【目次】
1.ライフプラン上の30代の特徴
社会に出る場合は、まだそこまで各自の状況に大差はなく共通点が多いと思います。しかし、社会に出て仕事をしていくと、給与面で差が出てくるのはもちろんのこと、結婚、出産、住宅購入の生活状況の変化に伴う差も生じてきます。
また、学生生活から社会人生活に入り、その生活に慣れて落ち着いて先行きを考えることもできる時期でもあります。それがまさに30代であり、ライフプランについて長期的な計画を考え実行をするために本格的な貯蓄を始めるのに適した時期だと言えます。
2.人生設計に必要なお金を知る
ライフプランについて長期的な計画を立てて貯金するといっても漠然としていると思います。具体的には、自分が何歳にどんな出来事があるかをまとめたライフイベント表を書いてみることから始めるとよいでしょう。例えば、30歳で未婚の男性の会社員の方であれば、33歳で結婚、35歳で奥様が出産、40歳でマンションを購入などと記載するのは一例としてあり得るでしょう。
こういったシートはインターネットで検索すれば様々なものが出てくるので、一度確認してみることをおすすめしますが、比較的見やすいものとして日本FP協会が作成しているライフイベント表のリンク先を以下記載します。
参考:
ライフイベント表|日本FP協会
そして、各ライフイベントには大きなお金が必要になり得ますので、まず30代でどれくらい貯金が必要か相場を知っておくとよいでしょう。もちろん、最終的には各自の条件によって適正な貯金額は違うので、あくまで参考として頭の片隅に置いておくくらいで結構です。なお、30代の貯蓄の平均額は約670万円です。
参考:
勤労者世帯の世帯主年齢別貯蓄残高、貯蓄年収比(2015年/平成27年)|金融広報中央委員会(知るぽると)
3.貯蓄をどのようにしていくか?
それでは、それぞれのライフイベントに備えた貯蓄はどのように行っていけばいいのでしょうか。ここは、現状把握⇒目標設定⇒貯蓄計画の3ステップで考えるのがおすすめです。
30代であれば人生100年時代と言われる時代の中ではまだまだ人生の先は長いです。貯蓄をするために奇をてらったことは必要なくシンプルな貯蓄計画を立てるのがポイントです。以下、それぞれ説明します。
●現状把握
現状把握とは、「毎月の収入・支出」と「資産と負債」の把握の2つを指します。「現状」ですので、今現在どれくらいのお金があるかを把握する必要があります。そして、それがこのままいけばどうなるか把握するため、毎月どれくらい貯金ができるかもチェックします。もし、毎月の収支が赤字であれば、いわば穴が空いたバケツに水を入れている状況になりますので、早急に対策を取る必要はあります。
●目標設定
目標設定とは、上部で記載したライフイベント表の各ライフイベントにかかる費用の相場を知ること、そしていつまでにいくらが必要になるか把握することです。以下、一般的に30代で発生しそうなライフイベントについて記載します。
・結婚:約488万円
参考:
結婚トレンド調査2019|ゼクシイ
・出産費用:約51万
参考:
出産費用2018年|公益社団法人国民健康保険中央会
・建売住宅:約3,340万円
・(新築)マンション:約4,350万円
参考:
2017年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
もちろん、これは一般的な相場ですので、ご自身に必要のないことやこだわりのあまりない事項は、平均額ほどお金をかけないという方法もありです。
●貯蓄計画
現状把握の「毎月の収入・支出」が赤字なら黒字化するための方策を考えます。そのためのコツの1つは固定の削減です。
毎月たいてい金額が変わらないものであれば、支出削減の計算がしやすいです。通信費などはその代表例ですが、通信プランをもっと削減できないか通信プランを再検討したり、大手のキャリアを利用していたら格安スマホに変更してみるのもいいでしょう。
あとは、浪費になっている費用がないか確認してみて、該当があれば見直しましょう。例えば、スポーツジムの会員になっても通っていなければまさに浪費ですし、毎日何気なく買っているコーヒーのような1回の金額小さいけれども何回も購入するものも浪費になりやすいので、見直ししやすい項目です。
黒字であれば、いつまでにいくら貯められるかシミュレーションをして、各ライフイベントの到達年齢時に必要資金を貯められるか確認してみます。不足しているようであれば、さらに支出を削減したり、ライフイベント到来まで期間があれば投資も検討するとよいでしょう。
そうやって毎月の貯蓄額を決めたらその金額が毎月、生活資金とは別口座に自動的に移す仕組みを作るとよいでしょう。例えば、会社員に方で勤務先に財形貯蓄があればそこに貯蓄額を入れるという方法があります。
また、自営業の方であれば年金額が会社員の方より小額になるため、iDeCo等の私的年金を活用した貯蓄をこの時期から本格的に始める方法もありでしょう。また、会社員の方でも自営業の方でも、銀行の定期預金に毎月一定額入れるようにする方法もあります。
4.まとめ
20代から30代になると一般的には、物心ともに将来のことを考えやすくなります。
将来の目標を決めて貯蓄を始めるにはもってこいの時期です。この時期であれば、お金を貯める期間は長い期間で考えることができるので、変なテクニックには走らず、赤字を黒字にし、黒字であればライフイベントも加味し金額を調整するとよいです。ぜひ、30代の方は参考にしてみて下さい。