教育資金を貯めるには積立がベストなの?さまざまな選択肢を徹底解説

2023年02月07日 更新

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子どもが生まれると気になるのが「教育資金」です。教育資金を貯めるには将来必要になるお金を計算してから貯蓄計画をプランニングしなくてはなりません。教育資金を上手に貯めるにはどのような選択肢があるのかを紹介します。

【目次】

  1. 教育資金の必要額を計算して目標を決める

  2. 積立以外の選択肢も検討する

  3. 教育資金を貯める選択肢

  4. 教育資金も分散投資を

  5. まとめ


1.教育資金の必要額を計算して目標を決める

子どもが生まれたばかりの状態で、将来の教育資金を算出するのは難しい作業です。しかし、教育資金はなんとなく貯蓄するのではなく、教育プランを立てて目標額を決めることが大切です。そこでまずは高校、大学の選択により教育資金の目安を考えるのがよいでしょう。

文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」を見てみると、幼稚園から高等学校までの15年間にかかるおおよその費用は以下のとおりです。

■ケース1(幼稚園、小学校、中学校、高校すべて公立):約541万円
■ケース2(幼稚園のみ私立、ほかは公立):約634万円
■ケース3(高校のみ私立、ほかは公立):約694万円
■ケース4(幼稚園、高校のみ私立、ほかは公立):約787万円
■ケース5(小学校のみ公立、ほかは私立):約1,062万円
■ケース6(幼稚園、小学校、中学校、高校すべて私立):約1,829万円

調査結果を見ると幼稚園から高校卒業までにかかる教育費は541万円~1,829万円の幅があります。幼稚園から高校まですべて公立にかよう場合と、すべて私立にかよう場合では3倍以上の開きがあります。

この調査では大学にかかる費用は調査されていないので、日本政策金融公庫の「平成31年3月20日 教育費負担の実態調査結果」も合わせて確認します。ここでは高校と大学についての学費が調査されていますので、大学について入学費用も含めて見てみましょう。

■ケース1(国公立大学):539万円
■ケース2(私立大学文系):730万円
■ケース3(私立大学理系):826万円

つまり幼稚園から大学まで公立にかよった「費用負担の少ないケース」で1,080万円、「すべてを私立にしたケース(理系)」では2,655万円もの教育資金が必要です。さらに私立の医学部や大学院を考えると、もっと教育費がかさみます。

これだけの大金をノープランで用意できる人は、資産家などの裕福層のみでしょう。詳細な計画は難しいと思いますが、子どもの将来を考えてある程度の教育プランは立案して目標額を設定してください。

参考:
平成30年度子供の学習費調査|文部科学省
教育費負担の実態調査結果|日本政策金融公庫

2.積立以外の選択肢も検討する

教育資金は子どもの将来資金なので、「積立」で安心、確実に貯めるのが基本だと思ってください。銀行預金は金利が低く、大きく増えることは期待できません。また物価上昇などのインフレリスクに対応できないことから、積立を軸にいくつかの選択肢を検討しましょう。

3.教育資金を貯める選択肢

教育資金を貯める選択肢は「預金(貯金)」、「保険」、「投資」の3つに分類されます。

■預金(貯金):定期預金、定額貯金、自動積立預金、一般財形など
■保険:学資保険
■投資:投資信託、株式、ジュニアNISA、つみたてNISAなど

それぞれの選択肢を細かく見てみましょう。

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教育資金のベースとして考えたい積立

銀行の定期預金や積立定期預金は口座残高が減る心配はありませんが、低金利の状況では増えることは期待できません。メリットとして安全性を上げる人も多いのですが、反面インフレリスクに弱いデメリットもあります。

1,000万円以上の教育資金を貯めるのが目的であれば、積立だけに頼るのは余裕のある人以外は難しい選択です。あくまで積立は教育資金を貯めるための軸として利用して、ほかの方法も加えるのがよいでしょう。

積立を上手におこなうには、給与から自動的に引き落とされる一般財形や自動積立貯金などを利用すると負担がありません。

教育資金に保険の安心をセットした学資保険

学資保険は単に教育資金を貯めるだけでなく、保険がセットされた商品です。たとえば契約者(保護者)が病気になったり死亡したりした場合、学資保険の種類により補償が受けられます。補償には「それ以降の保険料が免除」、「死亡保険金が支払われる」などがあり、保険ごとの特徴があります。

また学資保険には貯蓄性が高い商品や保険内容が充実した商品があるので、加入するさいには十分内容を確認してください。保険内容が充実した学資保険のなかには、解約返戻金が支払った元本を下回ることも珍しくありません。さらに保険の契約時に満期の利率が確定している商品が多いことから、預金と同様にインフレリスクに弱いことも特徴です。

教育資金を大きく増やすなら投資を検討

積立や保険は確実に教育資金を貯められますが、大きく増やすことはできません。また受取額が固定された学資保険ではインフレリスクには対応できず、価値が目減りする可能もあります。

そこで考えたいのが「投資」です。毎月貯める教育資金の一部を投資に回すことで、安全資金と投資資金の2本立てにします。実際の投資は「投資信託」をメインに過度な値動きのしない、「インデックスファンド」や「債券型ファンド」などがおすすめです。

また毎年40万円の投資ができる「つみたてNISA」は、最長20年間非課税で運用できるので、教育資金などの長期貯蓄に最適です。つみたてNISAの利用は銀行や証券会社ごとに指定された、投資信託やETF(上場投資信託)の購入が条件なので、初心者でも選択が難しくありません。

「ジュニアNISA」はつみたてNISAのように、指定された商品だけでなく上場株式を含んだ購入ができ、年間80万円まで非課税投資が可能です。しかし投資期間が5年と短く子どもが18歳になるまで払い戻しできない条件があります。

つみたてNISAは夫婦それぞれで利用できるので、実際には年間80万円を20年間非課税で投資できます。このことから長期的な教育資金の準備には、つみたてNISAの方が有利だと考えます。

4.教育資金も分散投資を

教育資金を単に貯めるだけなら預金や、貯金でも問題ありません。しかし将来、物価が上昇した世界に備えるのなら、一部を投資に回す方が安全です。また両親の病気や死亡リスクを考えるなら保険も有効です。

つまり教育資金を貯める方法はひとつに偏らせないで、適度に分散させることが理想です。たとえば毎月の貯蓄を30,000円としたケースでは、「財形10,000円」、「自動定期預金5,000円」、「学資保険5,000円」、「投資信託10,000円」に分散させます。教育資金については複数の媒体で、さまざまな記事が取り上げられています。それらを参考にするのもよいでしょう。

教育資金は積立を軸に保険、投資のバランスを考えて、いくつかに分散させると将来のリスクに対応できます。

5.まとめ

教育資金は家庭により大きな違いがあります。また子どもが選ぶ進路によっても違うでしょう。しかし早い段階でプランを立てて実行しなくては、目標額に到達せず夢を諦めざるを得ない結果になってしまうかもしれません。

教育資金を貯める選択肢には「積立」、「保険」、「投資」などさまざまな方法があります。さっそく検討してはいかがでしょうか?

この記事の著者

吉住 淳

ライター、AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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