住宅購入に頭金はいくら必要?失敗しない資金計画の立て方とは

2023年02月07日 更新

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「住宅を購入したいけれどもどれだけの頭金を準備すれば良いのだろうか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

頭金がなくても住宅を購入できますが、準備していた方が良い点もあるため、ご自身の状況や考えに照らし合わせて慎重な検討が必要です。

そこで本記事では、住宅購入における頭金を準備するメリットや注意点についてわかりやすく説明しています。

【目次】

  1. 住宅購入時にはいくらの頭金が必要?

  2. 頭金を準備する理由

  3. 頭金の額を決める時の注意点

  4. まとめ


1.住宅購入時にはいくらの頭金が必要?

まずは、住宅を購入した人が、頭金をどれだけ準備していたのかを確認していきましょう。

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※独立行政法人 住宅金融支援機構 国際・調査部 「2018年度フラット35利用者調査
※()内は購入価格における割合
※その他の資金とは公的機関、民間金融機関、金融先、親・知人等から調達した資金

頭金として、約8〜19%程度の資金を用意していることが分かります。そして、購入価格が高いほど、頭金の割合も高くなる傾向にあります。

2.頭金を準備する理由

ここでは、頭金を準備するメリットについて解説していきます。

借入額が少なくなる

頭金を準備し借入額を少なくすることで、借入先の金融機関の審査も通過しやすくなる可能性があります。

住宅ローンは、申し込めば誰でも借りられる訳ではなく、金融機関による審査を通過しなければなりません。

審査では、借りる人の年収や勤続年数などが確認され、身の丈にあったお金を借りているかどうかが確かめられます。そして自己資金が多いほど、年収に対する借入額の割合が低くなり、審査に通過しやすくなるのです。

また、頭金を払えるということは、きちんとお金を貯められる人、お金を管理できる人という印象を金融機関に与えることができ審査の際に有利に働くことがあります。

適用される金利が少なくなる場合がある

住宅ローンの種類によっては、自己資金が多いほどローンに適用される金利が低くなり、利息の金額も下がることがあります。

例えば、フラット35では以下のように融資率が購入価格の9割を超えているかどうかで、適用される金利が変わります。

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※出典:フラット35「新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準(2020年3月)」
※借入期間:21年以上35年以下

また、頭金を多く準備し借入額を少なくすると、返済期間が短くなり返済負担の軽減も期待できます。

担保割れするリスクが減る

何かしらの事情で購入した物件の売却が必要になった場合、物件の価値低下によって、物件を売却してもローンが残る可能性があります。

例えば、3,000万円の新築物件を購入した場合、普通は購入後に価値が2割前後ほど下落し、2,400万円程度の価値になります。3,000万円を全て住宅ローンで組んでいた場合は、購入後すぐに売却すると600万円ほどの残債が残るのです。

住宅の売却後にローンの残金を返済するには、現金一括で支払わなければならないケースがほとんど。そこで、住宅購入価格の2割である600万円を頭金で支払っておき、借入額を2,400万円にすることで、もしものときにローンが残るリスクを減らせます。

3.頭金の額を決める時の注意点

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頭金の額を決める際は、ここでご紹介する3つの点に注意してください。

1.貯金の全額を投入しない

貯金の全額を頭金に投入してしまうと、その後の生活に余裕がなくなったり、家族の夢・目標が遠のいたりする可能性があります。

例えば、子供の進学には数百〜数千万円ほどの資金が必要です。貯金を頭金で使い果たすことで、子供が希望する学校に進学させてあげられなくなるかもしれません。

また、緊急時の予備資金まで頭金に回してしまうと、家族が病気やケガで入院した場合、医療費の自己負担分の支払いに苦労する可能性もあります。

以上の点から頭金は、貯金の全てではなくある程度の余力を残した金額にしましょう。

2.諸経費も考慮に入れる

住宅の購入には、土地や建物代だけでなく、税金や保険料、手数料のような費用がかかります。これらは住宅ローンに組み入れることもできますが、それでは毎月の返済負担が上昇してしまうでしょう。

諸経費の目安は、住宅価格の約5〜10%といわれています。また、購入した新居に移る時は引っ越しをする費用や、家具・家電を新調する費用が必要です。

そのため、頭金の他に諸経費がいくらかかるのかを把握したうえで、頭金の額を決めると良いでしょう。

3.金利の低さだけで住宅ローンを選ばない

2020年3月現在、住宅ローンの適金利はとても低いため、頭金がなくても全てローンを組んで住宅を購入しようとする人もいます。

しかし金利が低いという理由だけで、返済期間中に金利が変わる変動金利を選んでしまうと、返済中に金利上昇に対して不安を抱えてしまう可能性があります。

このような、金利上昇に不安があるのであれば、焦らずに頭金をしっかり準備して、返済期間中の金利が変わらない固定金利にするのも一つの方法でしょう。

4.まとめ

住宅は頭金がなくても購入できますが、頭金を準備た方がローンの審査に通りやすくなり、返済負担も減るというメリットがあります。

一方で住宅購入において最も大切なことは、購入後に不安が残らないような選択をすることです。そのためには、資金計画や返済計画を入念に立てなければなりません。

ご自身の状況でどのような住宅が購入できるのか、何にいくらお金がかかるのかを調べたうえで、頭金の額を決めましょう。

この記事の著者

品木 彰

ライター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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