がん保険は本当に必要?病気の特徴や治療にかかる費用から必要性を考える

2020年04月16日 更新

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がんになると、高額な治療費が必要になったり治療期間が長引いたりするイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

がん保険に加入することで、がんになった場合には保険金を受け取ることができ、経済的な負担を緩和できます。しかしがん保険は、誰にとっても必要な保険ではありません。がんという病気やがん保険の内容を理解したうえで、必要かどうか判断しましょう。

「がん」とはどのような病気?

まずは、がんがどのような病気かについて解説していきます。

がんの特徴?

がんとは、遺伝子の異常によって細胞が無限に増殖を続けるだけでなく、周囲の組織に広がったり、離れた場所にある臓器に転移したりする特徴があります。

初期のがんでは自覚症状がない場合がほとんどであるため、早期で発見するには検査を受けなければなりません。自覚症状が確認されてからでは、すでに全身に転移しており、手遅れになっている可能性があります。

「がんは2人に1人がかかる」は本当??

生涯でがんに罹患する確率は、男性が約62%、女子が約47%です。そのため、がんは生涯で2人に1人がかかるというのは事実といえます。

一方でがんの罹患率が上昇するのは、60代以降の高齢者です。以下は、特定の年齢の人が10年後までにがんに罹患する確率をまとめたものですので、確認してみましょう。

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出典:
最新がん統計|国立がん研究センター

このようにがんの罹患率は、年齢によって大きく異なっています。そして若いからといってがんの罹患率が0%ではありません。

例えば、30歳の男性が10年後の40歳までにがんに罹患する確率は0.6%ですので、100人のうち6人はがんに罹患しているということになります。

がんになるとどれくらいの治療費がかかる?

がんは専門的な治療を行うだけでなく、治療期間が長期間にわたる可能性があるため、自己負担額が100万円を超えるような高額になる可能性があります。

がん治療は多岐にわたる

がん治療は、公的医療保険(健康保険)で行える治療の他にも、以下のような治療を受けることがあります。

● 自由診療:国内未承認の新薬など健康保険対象外の新薬・医療技術を用いた治療
● 先進医療:厚生労働大臣から承認を受けた高度な医療技術を用いる治療

自由診療を行う場合は、基本的に健康保険が適用される治療も含めて全額が自己負担です。患者申出制度を利用することで、健康保険が適用される治療の費用のみ3割負担にできますが、健康保険の対象外の治療は全額負担のままです。

また、陽子線治療や重粒子線治療といった先進医療を受けた場合、200〜300万円程度の自己負担が発生する可能性があります。

健康保険対象外の治療では、高額療養費制度も適用されません。少しでも完治する確率を高めたるために健康保険対象外の治療を選択しようと思っても、お金がなければ治療を受けられないことがあるのです。

治療が長期間にわたる可能性がある

がん治療に限らず、病気による入院日数は減少傾向にあります。しかしがんの治療では、退院後も通院による抗がん剤治療や放射線治療を継続するケースがあります。

例えば、肺がんのうち腺がんⅣ期の治療において、入院による抗がん剤治療を行い退院したあとに、1年間にわたって3週間ごとに抗がん剤投与と定期検査を行った場合、治療費が3割負担でも200万円以上になることがあります。

参考:
がんとお金の本|国立がん研究センター

実際は、高額療養費制度が利用できるため、自己負担する費用は100万円以下になる可能性もあるでしょう。一方で、治療期間中は治療費以外の差額ベッド代や食事代のような費用が発生したり、収入が減少したりする可能性もあります。

会社員や公務員は、病気やケガで4日以上働けなくなった場合は傷病手当金を受給できます。しかし傷病手当金で受給できる額は、働いていたころの平均給与(標準報酬月額)の最大2/3までですので、収入の損失をすべて補填できるわけではありません。

がん保険とはどんな保険?

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次にがん保険の保障内容について確認していきましょう。

がん保険の保障内容

がん保険の保障内容は、保険会社によって大きく異なりますが、以下のような保障を選べるケースが多いです。

● 診断給付金:がんと診断された場合に50万円や100万円など給付金が支払われる
● 入院給付金:がん治療のために入院した場合に給付金が支払われる
● 手術給付金:がん治療のために手術を受けた場合に給付金が支払われる
● 治療給付金:放射線治療や抗がん剤治療などを受けた場合に給付金が支払われる
● 先進医療給付金:所定の先進医療を受けた場合に給付金が支払われる

医療保険との違い

がん保険は基本的にがんの治療しか保障されませんが、医療保険はがんを含むあらゆる病気やケガが保障の対象となります。

また、がん保険は免責期間が設けられており、契約しても約3ヶ月期間はがんになっても保障されません。

近年のがん保険の傾向

診断給付金は、2020年時点でがんが再発した場合も給付金を制限の範囲内で複数回受け取れるものが主流です。また、治療給付金のような、入院を伴わない長期間にわたる治療に備えられる保障を付加できるがん保険も増えています。

加えて、上皮内がん(上皮内新生物)も保障の対象としているがん保険も増加しました。上皮内がんは、がん細胞が基底膜を破って浸潤していない初期のがんで、ひと昔前のがん保険は保障の対象外としているケースがほとんどでした。

がん保険が必要であると考えらえれるケース

最後にがん保険が必要となるケースについて解説します。しかしここでご紹介するの、あくまで例であって、必要性は個人の状況によって大きく異なります。

がんになったときの治療費の支払いが不安

がん治療は高額になる可能性があるだけでなく、治療期間も長期間にわたり収入が低下する恐れがあります。

「小さい子供がいる」「貯金が少ない」など、がんの治療によって以下のような金銭面で大きな不安を抱える可能性がある場合は、がん保険への加入を検討しても良いでしょう。

保険料負担を抑えたい場合

がん保険の保険料は、保障範囲ががんに限られているぶん、医療保険よりも割安な保険料で加入できます。

20〜30代のような若者や仕事を引退した高齢者など、限られている収入の中で、高額ながん治療や収入の低下に備えたい人は、がん保険が選択肢となりえます。

まとめ

がんは、公的な医療保険制度を利用しても、高額な治療費負担や収入の低下が発生しやすい病気です。がん保険は、がん治療に特化された保険ですので、加入することでがんになったときの金銭面での不安を軽減でき、治療の選択肢も広がる可能性があります。

一方でがん保険が必要かどうかは個人の状況や家族背景、保険に対する考え方によって大きく異なります。医療保険も選択肢に含めたうえで、自分にとってがん保険が必要かどうか考えてみてください。

この記事の著者

品木 彰

ライター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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